LIGHT IS SHADOW
現代社会は、安全、効率、衛生という価値観のもと、人々の暮らしから「陰」を遠ざけてきました。 この終わりのない明るさは、生活を便利にする一方で、心や体のリズムを崩したり、エネルギーの過剰消費という負の側面も生み出しています。陰は本来、単なる不便ではありませんでした。そこには、心身を鎮める静寂、そして見えないものへの想像力をかき立てる奥ゆかしさという、明るさの裏返しの価値がやどっています。本展示は、“光と陰を等価値にデザインする”というアプローチから生まれました。素材に選んだのは、身近な製品にもよく使われている「無機EL(エレクトロルミネッセンス)」です。この素材が持つ「自由に切る」ことができるという特性に着目し、新たなデザインの視点で再解釈しました。一枚のシートに切れ込みを入れることで形をつくる。この最小限の加工プロセスは、素材を余すことなく使い切り、輸送時にはフラットになるという、プロダクトとしての合理性を備えています。低電力で優しく光るこの素材は、エネルギー過多な現代において、もう一つの光のあり方を静かに問いかけます。
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